個別銘柄投資を始めてから3年目になります。
今年もそれなりに利益を出していますが、玉の操作過程を見るとまだまだ初心者レベルです。
ただ、チャートに基づいた銘柄選択や試し玉から最後の利食いまでの一連の操作などで、致命的なミスを起こしたことはなかったので、結果的に利益を出すことになったのではないかと思います。
今日は、投資に必要なツールの内、チャートについての心得を述べて見ます。
手書きチャート
プロの相場師はチャートを手書きする方が多いように見えます。
私は製図関連の勉強をしたことがあったので、手書きの重要性を分かっています。
チャートを手書きすることで身につく感覚は大事だと思います。
いや、チャートを手書きすることでしか身につけられない感覚があると言ったほうがもっと適切でしょう。
また、自由度が高いことも手書きチャートの美点です。
線の幅や色、線と線の間隔なども自分の好みで変えられるから、相場師の神器と呼ばれるのも一理あります。
しかし、一般的なサラリーマンには手書き作業は難しいと思います。
まず、チャートを手書きするためには時間が半端なくかかります。
次に、大きな机と、描いたチャートを保存する場所も必要です。
一般家庭では実行しにくいやり方です。
チャートソフト
以前、いろんなチャートソフトの体験版や無料ソフトを試して見ましたが、自分に合うソフトはやっぱり無かったです。
機能は確かに多いが、投資で儲けるために必要かと思うと疑問を感じます。
また、自分で設定できる項目が少ないから自由度が低いです。
これぐらいの問題点なら我慢して使う方もいられるかも知りませんが、自分にとってはもっと決定的な問題点がありました。
それは、画面表示で表示期間が変わると値の比率が変わるという問題です。
例えば、現在の終値が500円ぐらいだとすると、画面表示上大体300円から700円ぐらいまでは、100円間隔の比率は同じですが、それ以外はかなり縮んで表示されます。
それが、1年前の期間に移ると1000円から600円ぐらいまでは等比で表示され、それ以外はまた変わった比率で表示されます。
これでは、チャートを見ても正しい変動感覚を得られないと思います。
私の欲しい機能は1000円までは同じ比率で表示されることであるが、そんな機能があるチャートソフトはなかなかありません。
製図ソフトで描くチャート
チャートを手書きすることは諦めたし、適切なチャートソフトもない。
どうしよう?
それで、考え出したのが製図ソフトでチャートを描くことでした。
幸い、私は製図関連の仕事をしているので、製図ソフトの操作は慣れています。
製図ソフトなら、自由度も高く、手書きチャートに近い感覚を得られるんじゃないかと思いました。
その後、初期段階は毎日製図ソフトでチャートを描いて、流れを確認することにしました。
49インチモニターを使っているので、A1サイズを横に表示している感じです。
最初は一本一本線をマウス操作で描きましたが、それでも結構時間がかかりました。
約45年分の足を描くのに5、6時間はかかったかな?
時間X軸と値Y軸の位置決めに結構時間がかかりました。
チャートとプログラミング
それで、何か効率のいい方法がないかと考えたら、プログラムで製図ソフトを制御して、こちらで日付と値段を入力すれば、プログラムが自動的にチャートを描くようにすれば解決できるんじゃないかと思いました。
でも、プログラムは勉強したこともないし、どこから始めたら良いかも知らない。
ただ、2018年その当時は投資で成功したいと強く願っていたし、やる気満々だったから、最後は独学でプログラミングを学ぶことにしました。
投資を始めたいのに、まずプログラミングを勉強するという何か変なことが起きましたが、結果的にはオーライでした。
プログラミングの独学
2週間ぐらいプログラミングのベーシック書籍を読んだら、文法の使い方は理解できました。
何か実現したいことがあって、それを実現するためには、いろんなコマンドを組み合わせて、一つ一つ問題を解決していく過程を記述したのがプログラムコードです。
プログラミングの覚え方ですが、まずは本に書いているサンプルを真似してプログラムをそのまま書いて見ます。何こともやはり基本が大事ですね。
次に、練習問題を自分の理解範囲で書いて見て、実行して見ます。
大体エラーが起きますが、なぜエラーが起きたかを一つ一つコードを確認しながら、その原因を調べて、コードを書き直す作業を繰り返します。
これでプログラミングの基本がマスターできました。
試作品の作成
その後約2か月間プログラムコードを書いて、一番基本的なチャート描画プログラムを作成しました。
最初のプログラムを実行した時に、画面上に一瞬でローソク足が表示されたことを見て、うれしかったです。
これだ!と何か希望が見えてきましたね。
やはり、人には希望が必要です。
美しい将来をイメージして、問題を一つ一つクリアして行くことが大事だと思います。
希望を持つと、頭が興奮して脳からいろんなアイデアが次々と出ます。
希望を持つと、朝5時から夜12時まで、疲れを知らずにコードが書けます。
プログラムの落し穴
最初のプログラムは機能がまだ不十分でしたから、もっと完璧なプログラムにレベルアップしようとしましたが、その後が大変でした。
プログラムは機能を追加するたびにバグが増えて、不安定になります。
これもできるように、それもできるようにといろんな機能を追加したら、重くなるし、プログラム実行途中にエラーが起きて落ちます。
この問題を解決するために、約2年間で3回もプログラムを全部書き直しました。
最後にやっと実行スピードと安定性のバランスが取れたプログラムを完成したんですが、大きな問題に気付きました。
投資家になりたい?プログラマーになりたい?
自分は一体何がしたいかと。
投資家を目指しているのか、プログラマーを目指しているのかと。
2018年から投資に関する資料集めや準備をしてもう1年半は過ぎているのに、大半の時間はプログラム作成に費やしている現実が自分には衝撃的でした。
これじゃやばいと思って、その後は新しい機能を追加することをやめました。
出来上がった部分で、投資に集中しようとしたのが2019年秋頃でした。
それまでは、主に月足チャート、日足チャート、場帳のテンプレート作成や、相場技術書の読書、分析などの学習に大部分の時間を費やしました。
これからは、実践中に感じた問題点やツールの有効な利用方法について述べて見ます。
各チャートの特徴
月足チャート
月足チャートは、基本的にローソク足を使用します。
戦略的な銘柄選定のために使われています。
始値、高値、安値、終値4本値で一本のローソク足を描くので、その足が連続的に並んだ場合、その銘柄の今までの動きと今後の傾向が分かりやすいです。
銘柄選定で、月足チャートは必要不可欠な存在です。
月足チャートは繰り返して見る必要があります。時間をかけてじっくり今までの動きを読む練習をしましょう。
手書きチャートの場合は、時間をかけて一本一本描くので、自然と時間的な要素が大事な役割をしますが、製図ソフトで描いたり、プログラムで描く場合は一瞬で描画が完成します。
だから、重要な変化について見逃してしまうことが多いです。
意識的にゆっくりチャートを読むこと、繰り返して読むことで変動感覚を身につけましょう。
日足チャート
日足チャートは、ローソク足と折れ線チャートが良く使われていますが、月足チャートと併用する場合は、感覚が混同しますからローソク足は避けましょう。
また、ローソク日足チャートは情報が多すぎるから、変化が読みづらい問題もあります。
個人的には、玉の操作には折れ線チャートが合っていると思います。
月足チャートと場帳だけで売買するプロもいますが、初心者はやはり慣れるまで折れ線チャートを描いたほうが良いです。
初心者の注意点
私は最初にローソク月足チャートと場帳のみで売買しましたが、以下の問題点がありました。
- 複数の銘柄の場帳作成に時間がかなりかかる
- 何ヶ月も書いても感覚がつかめられない
感覚については自分もなぜそうなったのか、その当時はわかりませんでした。
今考えて見ると、
- 場帳の使い方や、形式が間違っていた
- 初心者が月足チャートだけ見て、日々の動きが理解できない
ことが原因だったと思います。
まずいろんな銘柄の日足チャートを見て、どんな動きをしているのかを知ることにしようと決めたので、各銘柄がどんな動きをしているのかを直感的にわかるように、折れ線日足チャートを利用することにしました。
折れ線チャートは、シンプルで動きがわかりやすかったです。
東証1部の月末終値500円以下の銘柄のうち、財務状況が健全な銘柄を抽出して、折れ線チャートを毎日描きます。
約120銘柄ぐらいですが、3ヶ月経ったらだんだん動きがわかるようになりました。
株ってこんな動きをしているのかを、その変動感覚を少しずつ理解できるようになりました。
どんなに遅く家に帰っても、全部描けなくても必ずチャートの更新をしました。
時間がないから、週末にまとめて更新すればいいんじゃないかと思う方がいるかも知りませんが、それでは変動感覚が乱れて、玉の操作に影響を与えてしまう可能性があります。
折れ線チャートを描いてやっと変動感覚がわかるようになったら、場帳を書くことも理解できるようになりました。
今は、約100銘柄以上の日足チャートを毎日読まないと行けないから、場帳は書いていませんが、今後、つなぎ売買の練習を本格的に始めたら、当然銘柄を絞るようになるし、日足チャートと場帳で変動を鋭く掴めないと、玉の操作が上達できないと思います。
場帳と日足チャートの優先順位
場帳も、日足チャートも重要なツールでありますが、初心者にとって、月足チャートも描いて、日足チャートも描いて、場帳も書くのは大変な作業だと思います。
初心者はまず日足チャートで、値の動きを覚えてから場帳を書いたほうが、イメージしやすいと思います。
場帳と日足チャート、それぞれの特徴を理解した上で利用すれば良いでしょう。
場帳はその銘柄の価格変動を事実そのまま数字で伝える役割をします。
しかも直近の価格変動に気づきやすいメリットがあります。
日柄要素を重要視する売買法では、場帳は欠かせない存在でしょう。
一方、日足チャートは過去一定期間の動きを一画面で表示できるから、全体的な流れを一瞬で直感的に把握しやすいですが、その影響で今起きている変化が目立たないデメリットがあります。
練習の初期段階は各銘柄の日足チャートをたくさん描いてみて、各銘柄の動きの違いや特徴を理解することが大事です。
その特徴がわかれば、売買方法が自然と理解できます。
変動周期が短い銘柄はリズム取り、長いものはうねり取りなど、取りやすい銘柄が判るようになります。
下げ途中の銘柄、上昇初期の銘柄など各銘柄の動きが見えてくるから、試し玉の仕掛け時期も判るようになります。
日足チャートに慣れたら月足チャートと場帳のみで銘柄を限定せずに売買してもいいし、銘柄を限定してその銘柄のみ日足チャートと場帳で売買してもいいでしょう。
まとめ
チャートは必要不可欠なツールですから、大いに活用しましょう。
ただ、チャートは必要な売買ツールの一つですから、全体的な投資行為の中での役割を理解した上で利用しなければいけません。
なぜかというと、チャートをあんまりにも過信すると、宗教みたいな存在になるからです。
チャートばかり勉強しても、利益に直結するわけではありません。
チャートも、場帳も、玉帳も、リスク管理、資金管理も全部重要です。
俯瞰的にモノ・コトを考えて、バランスを取りながら進めましょう~