ブエルハトンの投機界探険記

株初心者の修行記録

空売りの失敗分析と今後の計画

9月8日の損切りで、520,353円の損失が確定しました。


内訳:
国際紙パルプ商事:-410,147
サンコール:-97,206
エスクロー・エージェント・ジャパン:-13,000

 

運用資金の約半分を失いました。手元に残った資金は629,846円(2022/9/9)です。
空売りした国際紙パルプ商事サンコールが大暴騰して、8月1日の含み損55,287円が9月8日の損切りで約10倍ぐらいに膨らみました。
2020年から株式売買を始めましたが、こんなに大負けしたことがなかったです。
下記は、今回の失敗に対した反省と思考をまとめたものです。

 

失敗の原因と分析

今回の失敗は、心構えの問題と建玉の原則を守らなかったことが原因だと思います。

 

心構え

まず心構えの問題ですが、年初からの7連勝でつい気が緩くなって、リスク管理と玉の管理を怠った結果、大失敗しました。
本来なら自身の資金力と技術力を考えて、その範囲内の売買に集中しなければならないです。
しかし、今回はもっと利益を伸ばしたいと欲望に支配されて、自分の苦手分野に手を出してしまったのです。
空売りを学び始めたばかりなのに、もっと速く、もっと大きく儲けようとして、急上昇した銘柄に自分の資金力以上に空売りを仕掛けた結果、失敗して資金の半分ぐらいが消えました。
厳しい相場で、自分の長所ではなく短所で戦って失敗するのは当たり前のことです。

 

心構えは大事です。
利益を得るために何をするべきかを考えるよりも、自分のできることは何かを考えて、確実に利益を積み重ねて行くことが大事だと思います。
この順番が間違ったら、必ず失敗が増えて自滅します。
利益を得るためには何をするべきかを考えると、選択範囲も広くなるし、売買対象も自由になります。
自由になりすぎて何でもかんでも手を出したら、慣れない内に失敗が増えて資金が枯渇する可能性があります。
自分のできることは何かを考えてやると、当然選択範囲が狭くなるし、売買対象も限定されることになるから、成功率も上がります。
相場で生き残るためには、焦らず自分のできることだけに集中するべきです。
自分のできる売買とは何かをしっかり認識して、自分の売買を淡々と実行すれば、結果は自然に付いてくると思います。

 

建玉の原則

次に建玉の問題ですが、過去の失敗した建玉記録を調べて見たら共通点があって、大体トレンドに逆らって玉を増やしたことが多かったです。
それで気づいた建玉の原則は、「トレンドに沿って、本玉を建てること」です。
別の言い方をすれば、「トレンドに逆らって、本玉を建ててはいけない」ことでもあります。
この原則に反すると、損がどんどん増える症状が出てきます。
当たり前のことじゃないかと笑われるかも知りませんが、こんな基本的なことを失敗してからやっと理解できるようになったのです。
トレンド変化の兆しが現れたら、持ち玉のポジションとトレンドが一致しているのか、相反しているのかをチェックして、玉の管理を適切に管理できたら、今回のような失敗は防げたと思います。

 

トレンドと変動感覚について

トレンドの変化を、如何に即時感知して対応できるかが課題です。
今回は、トレンドの変化への対応が悪かったです。
国際紙パルプ商事サンコールは、両銘柄とも上昇後反落して再上昇をしたのを一時的な反発だと思って、売り玉を増やした結果、損が拡大してしまいました。
急騰したものは絶対下がるという強い思い込みもあって、なかなか上昇を認められず、変化を無視したこともあったと思います。
つまり変動感覚が正しく機能しなかったということです。

 

今まで場帳もチャートも手書きせず、自作プログラムで作成したチャートをモニター画面に表示させて確認するやり方で売買をしましたが、今回の失敗でその変動感覚に限界を感じた部分がありました。
変動感覚(トレンド観測能力)には、二つの面があると思います。
一つは、過去の値動きを正しく解釈する能力です。
もう一つは、現在起きている変化を正しく受けとめる能力です。

 

個人的な問題ですが、生活面でいろいろ制限があって、相場研究に使える時間やスペースが限られていて、チャートの手書きを諦めました。
B1サイズ用紙に時間をかけてチャートを描く代わりに、大型モニターにチャートを表示させて、類似変動感覚が得られないかを試したわけです。
今回の失敗はチャート自体の問題ではないと思いますが、値動きの変化を鋭く感知する能力がまだ身についてなかったのが把握できましたので、とりあえず解決したいのは今起きている変化をより鋭く感知する能力の獲得です。
その能力は、チャートを見る行為つまり視覚神経だけに頼っては得られるのが難しいから、やはりチャートを手書きする必要性を感じました。
チャートを手書きすると、視覚神経と運動神経両方を通じて複合された情報が脳に伝達されることで、より鋭い変動感覚が身に付けられると思います。
林先生や、猫次郎先輩、ベトナム先輩など成功した相場師達がチャートを手書きすることを強調しているのは、この変動感覚が無い或いは弱いと相場で生き残れないからでしょう。

 

現実問題として、B1サイズ用紙が大きすぎて描く場所と保管場所が限られているから、まずA3或いはB4サイズに折れ線チャートを描いて見る予定です。
まず、簡単なこと、できることから始めて慣れたら月足チャートも描いて見ます。
手書きで直近の値動きを確認するだけでも、かなり違う感覚が得られると思います。

 

また、製図ソフトで月足を描いたらどんな感覚が得られるかも試したいです。
マウスを操作する行為も運動神経を動かしているから、原理的には手書きと似ていると思います。
モニター画面上で、縦位置と横位置を正確に取るのが面倒で時間がかかったから、プログラムでチャートを描く機能を作ったわけですが、便利すぎて逆に変動感覚が得られなくなりました。
縦位置と横位置を表記してくれる補助機能があれば、一番時間がかかった所がクリアできるのではないかと思います。
正しい変動感覚が得られることが前提ですが、デジタル方式でチャートを作成するやり方も一つのジャンルとして存在しても良い気がします。

 

銘柄の選定について

今までは、日足折れ線チャートで上がりそうな銘柄と下がりそうな銘柄を選んで、逆張りで複数回分割して売買するやり方でやってました。
結果、一年中銘柄を変えながら売買するわけで、その中には変な動きをする銘柄もあるから、慣れないうちに損が発生することもあります。
初心者はやはり値動きが穏やかで、普段の出来高も多く、業績も安定していて、周期的なうねりを見せる銘柄をいくつか選んで、一年中その銘柄のみ売買しながら、うねり取り練習をしたほうが良いと思います。
技術の上達が先で、波に乗る練習がしっかりできたら、他の銘柄に資金を限定してチャレンジしても良いでしょう。

 

試し玉について

国際紙パルプ商事は、売り試し玉を建てた後も上昇し続けたから動きがおかしいと感じても、そのまま売り玉を増やしたのが悪かったです。
本来なら、試し玉でうまくいかなかったら、すぐ損切りして撤退するか、ドテン操作して反対方向に試し玉を建てるべきでした。
また、ショートするために、試し玉も空売りを仕掛けたのが良くなかったです。
もし、買いの試し玉を仕掛けたらどうでしょうか?
上昇し続けているから、試し玉の利益がどんどん増えるし、勢いも強いから空売りするタイミングではないと自然に判断できたはずです。
もちろん買い試し玉で利益が出たら、そのまま買い玉を増やしても良いし、買い玉を増やしながら徐々に空売り本玉を建てても良い気がします。
次からは本玉と反対方向の試し玉を建てる練習もする予定です。

 

本玉について

勘違いされやすいですが、ナンピン玉は本玉ではないです。
ナンピンを繰り返すと、損失がどんどん増えて、最後に追い詰められて損切りすることが多いです。
過去の売買で、何回かナンピンして玉を増やした後、たまたま運良くてちょうど良いタイミングで反転して利益になったこともありましたが、いつも冷や冷やした気持ちで、相当疲れが溜まるやり方でした。
間違ったやり方で何とか損失を回避できたら、次もまた同じ行為を繰り返すわけで、いつかは必然的に大きな損を被ることになります。

 

では、建玉の原則に沿ったやり方とはどういうことでしょうか?
例えば中長期の上昇トレンドが形成されたと認識して、一時的な逆行(下落)を逆張りで買い下がることはトレンドに逆らうことではないと思います。
一時的な逆行だから、期間が短く、値幅も大きくないことが一般的でしょう。
押しの値幅や、下げ期間に応じて計画的に逆張り買い下がり、本玉を建てた後に元のトレンドに戻って、スイスイ上昇し始まったら、これこそ理想的な建玉だと言えるでしょう。

 

逆に、下手なやり方とはどういうことでしょうか?
下落途中なのに一時的な逆行だと勘違いして逆張りで買い下がったり、上昇中なのに一時的な反発だと勘違いして逆張りで売り続けたりすることです。
途中、異変を感じてもナンピンを繰り返して、平均値を操作すればするほど損失額が増えるパターンです。
結果、今回の失敗のように大きく損を被ることになります。

 

実際、下落途中の一時的な反発なのか、本格的な上昇の始まりなのかが読めないことがあります。
トレンドが読めない場合は、その時の売買を避けて、トレンドが読められる時まで待って仕掛けても良いと思います。
また、一時的な逆行を狙って本玉を建てたが、逆行の期間も長く値幅も大きくなったら、一時的な逆行ではなくトレンドが反転した可能性が大きいです。
当然、本玉を建てた後も、トレンドの変化に応じてリスクの管理をすることが必要になります。

 

損切りについて

今回はなぜ損切りができなかったでしょうか?
それは、損切りについてネガティブな感情をもっていたからです。
すぐ反転しそうだからもったいないとか、今まで何回も不利な局面を乗り越えたからとか、いろいろ損切りを邪魔する気持ちが表れて、なかなか損切りができなくなりました。
10%以内の損には敏感に反応する割には、20%、30%と急激に損が増えたら、逆に鈍感になって半分諦めた気持ちになっていました。
頭では危ないと分かっていても、何とか損が減るだろうと自分の都合よく解釈して、何度も損切りできるチャンスを逃してしまいました。
本来なら、トレンドの変化に気づいた時点で、損失額やパーセンテージに関わらず、すぐ損切りするか或いはドテン操作で反対玉を持って対処すべきでした。
もちろん、持ち玉を全部1回で損切りするか、分割して何回に分けて損切りするかはケースバイケースですが、異変に気づいたらとにかく持ち玉を減らすことがリスク対策の第1歩です。

 

ちなみに、損切りとドテン操作の使い分けでの判断基準は銘柄の動きです。
勢い良く動くならドテン操作で逆方向に玉を建てて、流れについて行けば良いです。
もし、動きが止まった或いは徐々に止まりそうだったら、損切りをするべきです。
そのまま放置したら、資金の機動性を失って新規売買ができなくなります。
もし損切りに迷うなら、手持ち玉と同数の反対玉を建てて、様子見しながら損切りするかドテン操作するかを決めても良いと思います。

 

空売りについて

現物買いは大体底を打った所で買うから値動きも穏やかで、損が発生しても少ないです。
しかし、空売りは上昇中か天井近くで仕掛けるから、当然値動きも激しいし、損も急激に増えます。
初心者はやっぱり、急騰した銘柄の空売りは避けるべきです。
特に人気銘柄は、天井知らずに暴騰を続けることがあります。暴騰すれば暴騰するほど、人気が集まるのが相場ですね。
また、上場年数が短く、新高値を更新し続ける銘柄もどこまで上昇するのか、まったくイメージできないので、むやみに空売りするのは危険です。

 

空売りをするなら、地味に動く銘柄のほうがやりやすいし、失敗しても少ない損で撤退できます。
現物玉を持っているなら、つなぎ売りをすることも一つの選択肢です。
現物玉が安全装置として機能するから、失敗しても大損を被ることはないでしょう。

 

金管理について

心構えと関連しますが、欲望に支配されると、元々設定した資金管理のルールをすぐ破るようになります。
年初のルールでは、普段は資金の半分まで利用して、多くても2/3を超えないことにしました。
それが、空売りをやり始めたら、すぐに手元資金を超えて売買するようになりました。
順調に行く時はレバレッジをかけた分、資金の増加スピードも速いですが、失敗した時は資金が一気に減ることになります。
空売りに慣れない内は、やはり手元資金より少なめに玉を建てたほうが無難でしょう。
できれば現物株のリスクヘッジとして利用したほうが良い気がします。

 

発注方式について

いつから始めたか忘れましたが、スマホに株アプリをインストールして、仕事中も株価をチェックして短期売買をするようになりました。
これも、変動感覚が狂った原因になったかも知りません。
やはり自宅で場帳とチャートを描いた後、その感覚に基づいて発注する方式に変更します。
日中株価を頻繁に確認して予期しない動きで一喜一憂するよりは、心が落ち着くし、より正しい変動感覚に基づいて売買できると思います。

 

休みについて

今年は8月に休む予定でしたが、手持ちの銘柄を処分せず、そのまま放置したのが悪かったです。
一年中売買をし続けると、疲れが結構溜まって相場の変化に敏感に対応できなくなります。
だから、時々休みを取ったほうが良いです。
但し、休み前に手持ち玉を整理する必要があります。
手仕舞いできるものは手仕舞いし、保留したいものは反対玉を建てて、休み中の予想外の動きへのリスク対策が必要です。

 

今後の計画

今回は空売りで大失敗しましたが、空売りの勉強は続けます。
建玉のやり方も工夫できる所があるし、売買に必要なツールも揃える必要があります。

 

場帳は以前には書きましたが、終値だけ書く方式でやって値動きがイメージできなかったから、途中で止めました。
今回の失敗で、建玉の原則が理解できるようになったので、4本値場帳の有効な利用法が少し分かったような気がします。
帰宅してから1時間ぐらいしか相場研究に使えないので、場帳を大量に書く時間はありませんが、数銘柄は書き続けます。

 

チャートについては、とりあえず日足折れ線チャートを手書きで描きます。
月足チャートについては、暫くはモニター画面に表示するしかないと思いますが、見るだけでなく、1足ずつマウスで描く練習も行う予定です。

 

今回の失敗で、いろんな問題点が見つかったし、失敗から学んだことも多かったです。
今までのやり方を全部否定するつもりはありませんが、心構えや、ツールの整備など、もっと基礎を固める作業が必要かと思います。
以上。